インストラクター（中西幸子さん）インタビューVol.02 Part1
ヨガのインストラクターになったきっかけを教えていただけますか？
子どもの頃は、どちらかと言うと華奢で筋肉量が少なかったんです。運動全般が苦手でソフトボールも遠くまで投げられませんでした。速く走るのも苦手だし運動のセンスが無かったかもしれません。
中学生の時にはじめてヨガを体験しました。あらゆるポーズを行う中で一番気に入ったのが「くつろぎのポーズ」でした。仰向けになって全身の力を抜くリラックスしたポーズです。運動が苦手な自分にとっては画期的なポーズで呼吸に集中することで心身を整える感覚を楽しみました。
でも、ヨガってその当時は全くメジャーじゃなくて、今みたいにスタジオやレッスンもあまり多くありませんでした。ですので、より多くのレッスンに携わる機会こそなかったものの、細々と続けていました。
ヨガと一言で言ってもいろいろな内容がありますが、レッスンを受ける機会があれば可能な限り受けるようにしていました。その時に個性豊かなインストラクターの方と出会って多くの刺激を受けて教え方を勉強したりして、自然と自分の目指すべきインストラクター像が決まってきました。インストラクターの資格を取ってからは、レッスンの代行の依頼があるとできるだけ引き受けるようにしていました。一期一会を大切にする中で長いものに巻かれるというか、自然の流れに身を任せるという感じでしょうか、無理をせずにご縁を大切にしていたら今に至ったという感じです。
当時私は昼間のお仕事をしていたんですが、レッスン機会が増えてきて、なかなか自分の思うように両立を続けることが難しくなってきたのでフリーになりました。年を重ねていくうちに取捨選択というか、無理なことやできないことは自然に自分から離れていくようになりました。健やかな身体で心地よく歳を重ねていきたいという思いが今日の私を作っています。
ヨガと別にピラティスも勉強して資格も取得して現在では幅広く活動しています。近年では、企業様の福利厚生イベントとしてのヨガレッスンにお招きいただくこともしばしばあります。生産性を上げるため、社員の健康増進のために取り組みを企画される企業様が見られます。昔に比べて確実に需要の広がりを感じています。昔に比べて確実に需要の広がりを感じています。
ご縁は大切にしています。レッスンのご依頼を頂いたらお受けするようにしています。ヨガを全くされたことのない方に、ヨガに触れていただける機会があることに喜びを覚えますし、その方にとっての初めてのヨガの時間に携われることをうれしく思います。趣味はヨガです。ヨガのことはある意味で仕事とは思っていなくて、ご飯を食べるとかお風呂に入るとかと一緒なんです。１日の時間の中に占める割合は大きいですが、私にとってはそんな感じです。
中西さんのレッスンの特徴を教えてください。
そうですね、一言でいうと“のんびり”ですね。私がヨガを受け始めた時に感じたのと同じ感覚なんですが、それを大切にしています。今の世の中にはたくさんの情報が溢れていて、こうあらねばならないとか、前に向かって進んでいくことが当たり前のような社会になっているような気がします。そのこと自体はある程度受け入れなければならないことだと思うのですが、レッスンの時間だけは自分のためだけの時間にしてもらいたくて、“のんびり”してほしいと思っています。あえて動いて汗をかくためのクラスもあるのですが、私のクラスは「なにも足さなくていいんだよ」ありのままの時間を作っていきたいなと思っています。
具体的には、緊張と弛緩の繰り返し、メリハリを大事にしています。短時間の中で緊張と弛緩を繰り返すことは日常生活にも役に立つと思います。時間に余裕があるからといってずっと家の中でダラダラして過ごすよりも、パッと外に出て用事を済ませて家に戻ってからダラっとする方が、メリハリがあって良いですよね。レッスンはその縮小版だと思っています。お正月とかお休みが続いた時、それまでは読書をしようとか車を洗おうとか色々と予定を考えるのですが、時間があったら逆にできないですよね。今日こんなに時間があったのに何でしなかったんだろうって思うことが度々あります。ヨガを通じて生活の、そして人生の可能性を広げてもらいたいですね。メリハリというか、ヨガだけではなく、日常生活に戻った時に実際に活かせるようなレッスンの時間をお届けしたいですね。
ヨガのポーズを数多くこなす時間ではなく、日常生活の中で足し続けているエネルギーからご自身を解放していく空間を楽しんでいただけたらと思っています。疲弊している脳を休め、感覚を研ぎ澄ませていただきたいです。バーゲンに行って余計なものまでたくさん買い物をしたくなるような浅い呼吸はちょっとお休みしてくださいね、という感じです。
